目の病気
コンタクトレンズと目のトラブル
Contact lenses and eye problems
酸素不足
■ コンタクトレンズと酸素
角膜には血管がないため、栄養分は内側から、酸素は空気から取り込んでいます。
コンタクトレンズを装用すると角膜にフタをした状態になり、空気から酸素を取り込む量が極端に少なくなります。
角膜の極端な酸素不足が長時間続くと、様々な眼障害が現れることがあります。
■ 角膜上皮障害
酸素不足や乾燥、長時間の装用など、さまざまな原因によって角膜の上皮が剥がれたり傷がついた状態で、放置すると細菌感染などにより病状がすすみ、視力に影響を残すことがあります。
コンタクトレンズによる眼障害のなかで最も多くみられます。
■ 角膜新生血管
角膜は光を通すために透明な組織で、もともとは血管が存在しません。
しかし、コンタクトレンズを装用して角膜が酸素不足になると、酸素を取り込もうとして角膜の周囲から血管が侵入してきます。
痛みがないため自覚することはありませんが、中度以上の場合は治療しても完全に血管が消えず、以後も残る場合があります。
■ 角膜内皮細胞
角膜の一番内側に角膜内皮細胞と呼ばれる細胞があり、角膜の透明性を維持する上でとても大切な働きをしていますが、コンタクトレンズの装用により酸素不足が長期間続くと、細胞の大きさや形が変化し、機能的に障害がでることもあります。
角膜上皮細胞と異なり再生することはなく、重症になるまで全く症状が現れないため、角膜が白く濁って視力低下にいたることもあります。

アレルギー
■ コンタクトレンズとアレルギー
コンタクトレンズに付着した汚れやコンタクトレンズによる刺激、消毒液などのケア用品が原因で、まぶたの裏側にアレルギー反応を起こします。
本来滑らかなはずの まぶたの裏側の結膜にブツブツが生じ、様々な症状として現れます。
■ アレルギーの症状
眼のかゆみや目やに、充血のほか、コンタクトレンズを装用するとゴロゴロする、上方にズレる、分泌物でレンズが汚れやすいなどの症状が現れます。
もともとアレルギー体質の方がコンタクトレンズを装用すると、刺激によって症状がさらに強くなることもあります。
■ 巨大乳頭結膜炎(GPC)
まぶたの裏側のアレルギーを治療せずコンタクトレンズの装用を無理に続けると、大きなこぶ状の隆起(乳頭)になります。 GPCになるとコンタクトレンズの装用が困難となりますので、調子が悪いときは早めにお近くの眼科医の診察をうけましょう。

レンズの汚れや破損
■ コンタクトレンズの汚れ
・たんぱく質の汚れ
タンパク質は空気にふれて酸化したり、乾燥によって固着したり、紫外線や体温の影響で「変性タンパク質」に変化します。この変性タンパク質はレンズの曇りの原因になったり、アレルギー性結膜炎を引き起こす原因になることもあります。
・脂質の汚れ
分泌物に含まれる脂質や化粧品などの油分が、レンズの表面に薄い膜を張るような状態で付着します。コンタクトレンズに付着した脂質は、視界のくもりや装用感の悪化などの原因になります。
・カルシウムの汚れ
涙の中の塩分に含まれる成分で、他の汚れと混じってコンタクトレンズに付着します。ソフトコンタクトレンズに固着するときれいに落とすことは難しく、装用感の悪化などの原因になります。
・外部からくる汚れ
化粧品やほこり、レンズに触れる指先に付いている汚れなどがあります。また、カビや細菌などの雑菌により、眼に重篤な影響を与えるものもあります。
■ コンタクトレンズの破損 (亀裂や欠損)
・ハードコンタクト
材質的に低温下での衝撃に弱く、保存ケースに収納する際にケースの縁にレンズを当てると破損することがあります。
・ソフトコンタクト
ケースの蓋を閉める際にレンズをはさんだり、取り扱いの際に爪で傷つけることがあります。また、折れ曲がったコンタクトを無理に剥がそうとして破損することもあり、取り扱いに注意が必要です。
